ジョブ型雇用と同一労働同一賃金の違い~社労士が解説する雇用制度~

ジョブ型雇用と同一労働同一賃金の違い~社労士が解説する雇用制度~ ブログ

最近、”同一労働同一賃金”や”ジョブ型雇用”というワードを聞くことが多くなっています。
この二つは一見同じことのように見えますが、実は全く違います。
それぞれの内容や違いを簡単に解説します。

【この記事でわかる事】
・ジョブ型雇用とは何か?
・同一労働同一賃金とは何か?
・ふたつの違いはなにか?

ジョブ型雇用とは何か?

ジョブ型雇用とは、今大手の企業が導入し始めている雇用形態で、これまで日本で主流だったメンバーシップ雇用(終身雇用や年功序列)とは違い、職務内容を明確に契約し、その仕事をできる従業員を雇用する手法です。
報酬も職務により決め、同じ業務や職務遂行能力の従業員に同じ金額を与える考え方です。

欧米では主流の契約方法で、日本でも徐々に広がってきています。

リンク:厚生労働省_多様な正社員(ジョブ型正社員)について

同一労働同一賃金とは何か?

同一労働同一賃金とは、2021年4月から中小企業を含むすべての会社で対応が義務付けられたもので、簡単に解説すると、正社員と非正規社員(パート、アルバイト)間の労働条件を含む
待遇差の解消を目指すものです。


パートタイム・有期雇用労働法という法律で基準が定められいて、法律に違反していると判断されると差額の報酬支払を命じられたりする可能性もあるので、しっかりと対応することが求められています。

リンク:厚生労働省_同一労働同一賃金ガイドライン

ジョブ型雇用と同一労働同一賃金の違いは?

どちらも仕事内容で報酬が決定するところは同じです。
ですが、この二つには大きな違いがあります。

ジョブ型雇用は正社員間の報酬の違いも是正対象になります。
同一労働同一賃金は正社員と非正規社員(パート、アルバイト)間の労働条件の違いが是正対象で
正社員間は関係ありません。

また、ジョブ型雇用はあくまで雇用形態で法律で強制的に条件を決めるものではありません。
それに対し、同一労働同一賃金は法律により強制されるもので、会社の判断で不合理に正社員と非正規社員との報酬差をつけることはできません。

二つの制度には大きな違いがありますが、同一労働同一賃金は法律により
一日も早く対応が求められる制度です。
また、ジョブ型雇用も終身雇用が終わった現在、次に主流になる契約方法ですが
それだけでなくジョブ型雇用が主流になった場合、現在の解雇規制が変わることも考えられます。

その時に対応できるように準備するのも有益だといえます。
もし導入を検討している場合は、問い合わせください。
導入のお手伝いができると思います。

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