※ 〇は発生 △は条件付きで変動 ×は発生しない
日本には、税金や社会保険料の負担が増える基準がいくつかあります。
これらは”年収の壁”と表現され、この壁を超えると給与から控除される税金などが増えます。
年収の壁を越えてしまうと、手取り額が減ってしまい”損”をしたと感じてしまうため
この壁を超えないよう働く人が多くいます。
昨今の人手不足も重なり、働く人の確保などの為に”年収の壁”を超える人や会社への補助が
議論されています。
2023年9月25日に公表された今後の見通しなども含め解説します。
それぞれの年収の壁
年収の壁はいくつかありますが、簡単に解説します。
103万円の壁
所得税が発生し、給与から所得税が源泉徴収されます。
106万円の壁
従業員が101名以上在籍しているの会社(2024年10月からは51名以上の会社まで範囲拡大)に
勤務し、週20時間以上勤務するなどの一定条件を満たした人が社会保険に加入になります。
130万円の壁
社会保険の扶養に入ることができなくなります。
自分で国民健康保険への加入や勤務先の社会保険への加入が必要になります。
150万円の壁
配偶者特別控除という所得控除額が減少し始めます。
所得控除額が減少するため、所得税が増えてしまいます。
201万円の壁
配偶者特別控除が無くなります。
所得控除額がなくなるため、所得税が増えてしまいます。
年収の壁対策の概要
今回、提示された年収の壁の対策案は106万円の壁と130万円の壁に対する物になります。
106万円の壁対策で、新しい助成金が新設されます。
助成金の名称は社会保険適用促進手当となっていて
社会保険に加入し、保険料負担をすることで手取り金額が減ってしまった従業員の
報酬補填を行った会社へ支給されるものとなり、結果従業員の給与減額を防止できます。
130万円の壁対策では、会社の証明を出すことで2年間は扶養に入り続けることが
できるように特例を施行します。
この特例が施行されると、2年間限定ではありますが、年収が130万円を超えることが
できるようになります。
この様に今回提示された対策案は、社会保険に対する物となります。
制度を利用することで、年収の壁を超えることのデメリットを減らすことができ
人手不足の問題にも対策できるように期待されているようです。
まとめ
年収の壁は様々なところで、色々なタイミングで話題にあがります。
壁を超えることで負担が大きくなり”損”をすると解説されることがほとんどです。
社会保険に加入することで、将来の年金金額が上がったり、もしもの時に
障害年金や遺族年金がもらえるようになったり、病気で仕事を休んだ場合の
保障が得られたりと多くのメリットもあります。
今回、このタイミングで助成金などを使用し、社会保険に加入する事も
考えてみてください。
これから人手不足が拡大し、人件費の高騰も予想されています。
少しでも早く対応することで、今後も会社が健全に存続できるように
準備をしましょう。
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リンク:yahooニュース_首相、「年収の壁」対策を表明 週内に支援パッケージ決定
リンク:厚生労働省_年収の壁・支援強化パッケージについて