皆さんの会社には「就業規則」はありますか？
就業規則は、法律で作成・提出が義務付けられているものですが
それだけでなく、会社を守るために絶対に必要なルールブックです。
就業規則の作成を受けるときに「作ったけど1回も作ったことない」と言われたり
内容を確認すると「1年勤務すると有給休暇を1日与える」や
「アルバイトが退職する時には新しい人員を紹介する」といったルールを
定めている就業規則も見たことがあります。
就業規則は法律があるから作らなければならないだけで
とりあえず作ればいいものではありません。
労務管理の社会保険労務士が就業規則の重要性を解説します。
就業規則とは？
就業規則とは労働基準法第89条の規定により常時10名以上従業員がいる会社では作成、提出が義務付けられている会社のルールを定めたものです。
※10名以上にはアルバイトも含めます。
基本的には会社と従業員がともに守るべき雇用や就業に関するルールをしっかりと明記することで労働者が安心して働き、会社と労働者間でのトラブルを防ぐことを主な目的とするものです。
内容は会社の自由ですが、絶対に決めなければいけないルールや福利厚生などで会社に制度がある場合は書かなければいけないルール等、一定のルールはあります。
ルールに沿っていれば内容は会社の自由で漫画を規程内に入れている会社さんもあります。
就業規則の役目
就業規則は会社で働く人たちが「働くうえで守ってもらうこと」や
会社が会社で働く人たちが「安心して働けるようにやるべきこと」などを
明文化してわかりやすくするとともに、従業員が疑問に思うことを前もって明示することで
トラブルを防止する役割があります。
ですが、実は就業規則の役割はそれだけではありません。
基本的に労働条件は従業員一人一人と雇用契約書で定め、それを会社と従業員がともに守るのですが、就業規則を全体のルールとして作ることで主な部分を共通化することができます。
そうしないと、個別にバラバラなルールになってしまい、管理が大変になってしまいます。
さらに時代の変化や景気の変化などで労働条件を変えなければいけないときも、就業規則を作っておくことで、従業員の同意を得ることができればいっぺんに労働条件を変更することもできます。
このように、就業規則はルールの明文化と、雇用契約や労働条件の管理という
二つの大きな役割があります。
就業規則の重要性！(しっかりと作らないと問題は起きる？)
会社にあった就業規則を作っておかないと問題が起きます。
就業規則は労働条件のルールブックです。
普段、会社で行っている管理と違うことが書いてあると、意図しない問題が発生してしまいます。
例えば、社員には賞与を支給するがアルバイトには賞与を払っていない会社で、
就業規則にそのことがしっかりと記載されていないと
アルバイトから賞与を支払うよう請求され、支払う必要が出ます。
また、会社を欠勤する時にメールで休む連絡をしていたが、
そのメールを確認したのが昼だったので朝の会議で問題が起きてしまった。
しかし、休みの連絡に関しては会社に連絡を入れるとしか記載がなく、
普段もメールや電話で休みや遅刻の連絡をしていたのであれば、
休みの連絡をメールでしたことに対して責任を問うことができなくなります。
このように、しっかりと問題を想定し、それを解決できるように
文章を作っておかなければ問題が起きてしまいます。
就業規則のチェックは大切です！！
普段は、目を通したり内容をしっかり確認する従業員もいないかもしれません。
意識的にチェックをしルールを気にする社長さんも少ないかもしれません。
しかし、就業規則をしっかりと作っておくことは、問題を未然に防ぎ、
トラブルない会社経営に絶対に必要なものです。
加えて、法律では定められていない部分を就業規則でしっかりと明示することで
会社にとって不利にならないよう社内ルールを作ることもできます。
毎年、何かしらの改正がある労働基準法への対応も必須ですが、そういったことをしていない
または、面倒だと考えてしまう会社さんはぜひ一度ご相談ください！！
修正や問題点を専門家がしっかりと確認し、管理のお手伝いをさせていただきます！！
トラブルが起こる前にしっかりと準備をしましょう。
リンク：兵庫労働局＿就業規則
リンク：厚生労働省＿モデル就業規則について
リンク：厚生労働省＿就業規則作成支援ツール
