昨今の労働力不足を解消するために推し進められている”技能実習生制度”は知っていますか?
技能実習生制度は、日本で外国からの労働力を受け入れ、特定の技術や知識を実習生として学んでもらい、その後、母国に帰国してその技術を活用してもらうことを目的とした制度です。
そんな外国人技能実習生制度はどの様なメリットやデメリットがあり、問題点があるのかを労務管理の専門家である社会保険労務士が解説します。
外国人技能実習生制度の特徴
外国人技能実習生は、日本で技術や知識を働きながら習得し、帰国後その技能を活用して貢献することを期待されています。
ただし、すべての事業で外国人技能実習生を受け入れる事ができるわけではありません。
・農業
・建設業
・製造業
・介護
・食品加工
この様な分野で受け入れることができ、人手不足が課題になっている産業分野で受け入れられます。
外国人技能実習生を雇入れる会社が直接海外にリクルートに行くのではなく、管理団体(仲介業者)を通じて受け入れを行い、この団体が実習生の状況を管理し、適切な教育を行うこととなっています。
外国人技能実習生制度の問題点
外国人技能実習生制度には多くの問題があります。
労働条件
実習生が低賃金で過酷な労働を強いられている場合が多くあると言われています。
長時間労働や劣悪な就業環境、さらに最低賃金を下回るケースなど様々です。
人権問題
差別的な扱いやパワハラを受けたり、日本語が不自由であるが故、不当な扱いや
コミュニケーション不足など問題が多々あります。
制度悪用
一部の企業や監視管理を行う団体が制度を悪用し、実習生を安価な労働力として扱い、外国人技能実習生制度の根本の考え方である「知識習得や技術習得」が与えないケースなど多々あります。
このような多数の問題を抱える外国人技能実習生制度ですが、人手不足が背景にある現在日本では、これからも広がっていく状況となっています。
現在の対策や取り組み
政府はこの制度の問題改善に対していくつかの改革を始めています。
たとえば、外国人技能実習生の管理や監督体制を強化するために「外国人技能実習機構」が設立され仲介業者や受け入れ企業の監督の強化や待遇改善を測ったり、賃金の適正化や人権侵害の防止対策を強化したり、管理団体と企業の責任強化をしたりなど、数多くの改善を進めています。
それでも、すぐには改善はされませんし、課題も多く残っています。
今後も継続的に改善を行う必要があり、取り組まれていくと思います。
最後に
現在、人手不足が深刻化しており、外国人の労働力が注目されています。
そんな中、昔からあった技能実習生の制度に注目され、利用されています。
今後も外国人技能実習生制度は広く使用され、対応が企業に求められると思います。
活用をお考えの会社さんは是非制度を理解し、対応をお考え下さい。
リンク:厚生労働省_外国人技能実習制度について
リンク:出入国在留管理庁_技能実習生の保護に関する法律の法律案
お問い合わせはこちらから!