忘年会は残業になる!?~社労士が解説する残業~

忘年会は残業になる!?~社労士が解説する残業~ ブログ

年末や新入社員の入社等の時に会社で飲み会が開催されることがまだまだ多くあります。
最近では段々と考え方の変化からか、出席をするしないの選択ができるようになってきました。
しかし、それでも出席しなければならないという強制感を感じる場合もあるかと思います。
何も知らない上司や職場の先輩が「飲み会も仕事のうちだから」という発言をする人も
いるようです。
そこで疑問に思うことはありませんか?

飲み会も仕事のうちなら残業代が出ないのはおかしいのでは?

この様に考える方や相談を見ることが多くあります。
結論から言うと、会社の飲み会は残業代が発生する場合もあります。

どうしてそのようになるのか?
飲み会を残業と言わせないためにはどうするべきなのか?
労務管理の専門家として解説します。

そもそも残業とは?

残業とは何かをしっかりと答えられる人は少ないのではないでしょうか?
残業とは、雇用契約で決められた時間を超えて働くこと(労働する事)を言います。
法律の文言を使って正確に言うと、所定労働時間を超えて業務を行う場合を言います。

1日3時間の契約をしていた場合、3時間を超えて働いた場合、超えた時間を残業と言います。

近い意味の言葉で法定時間外労働という言葉があります。
こちらを残業と勘違いしている方も多いのですが、法定時間外労働は労働基準法で決められた時間
(1日8時間、1週間40時間※一部異なる場合もあり)を超えて仕事をした場合のことを言います。
こちらは割増賃金を支払うなどの対応も必要になります。

残業の要件は?

所定労働時間を超えた場合、なんでもかんでも残業になるわけではありません。
労働時間になるかならないかは、労働者が会社の指揮命令下に置かれているかどうかが重要だ
と裁判の判例でも決められています。
就業規則や雇用契約書によって決められているかどうかではなく、会社や上司から指示され
会社のことを行っている場合、残業となります。


会社から指示された場合、終わらない仕事を片付けている場合だけでなく、雑務や
職場の掃除などありとあらゆる場合が対象になります。
そして残業となった場合は全て残業代を支払う必要があります。

飲み会に残業代は発生するのか?

飲み会が残業の要件に該当する場合、飲み会であったとしても残業代が発生します。
次のような飲み会になっている場合は、残業代の請求をされ、それに対応する必要が出てしまいます。
気を付けて下さい。

・出席を強制されている飲み会
・出席しないと仕事上で不利益がある飲み会
・出席しない事が会社での立ち位置が悪化する飲み会


この様な飲み会は残業と言われ、残業代の発生があり得ます。
一言でまとめると、断れない会社の飲み会は残業となる可能性があります。

残業と認められた場合、残業代を支払わなければならなくなりますので
飲み会に残業代が発生する場合はあります。

飲み会で残業代を発生させないためには?

飲み会は上司・部下を含めた従業員間のコミュニケーションを円滑にするツールでもあり
上手に活用できれば、より効果的に仕事を進めることもできるようになりますし
加えて、職場内でのトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

しかし、会社が強制した飲み会に関してはこのような効果が半減してしまうだけでなく
残業代というコストが余計に発生してしまいます。

そうならない為に、会社は飲み会を強制するのでは無く、欠席する事も自由であり
あくまで自主的な参加であることを従業員には認識してもらう必要があります。
加えて、飲み会では普段の職場ではできない話や関係構築ができる特別な場所であり
会社にとって、自分にとって必要な事だという認識を持てるようにしていくことが大事です。

飲み会という普段の業務から違った環境を活用することで、会社はより円滑にまわります。
うまく活用できるように検討ください。

なお、強制する飲み会はハラスメントと言われ残業代とは別の問題が発生してしまいます。
そうならないように気を付けて下さい。

リンク:厚生労働省_山梨労働局_そもそも残業って?
リンク:厚生労働省_あかるい職場応援団

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