給与デジタル払い解禁について

給与デジタル払い解禁について ブログ

政府が検討中の”給与デジタル払いが、2023年春にも解禁”というニュースが流れてきました。
ずっと検討されてきた事が制度としてスタートします。
資金移動業者の口座への賃金支払についてー厚生労働省)※参考資料

労働基準法には給料を支払う時の原則が5つあります。
1.通貨で
2.直接労働者に
3.全額を
4.毎月1回以上
5.一定の期間を定めて支払う


これは、賃金支払いの5原則と言い、会社は必ずこの原則に従い給料を支払わなければいけないと
法律で決まっています。
※厚生労働省-労働基準行政全般に関するQ&A

今、ほとんどの方が給料は口座振り込みで受け取っているかと思いますが、これは直接払いの例外で、本当は現金を直接渡すことがルール通りとなっています。
今回、この例外を追加し、“資金移動業者”の決済アプリの残高に直接支払えるようにするようです。

現在、Pay Payなどのキャッシュレス決済を使用している方は多いし、今でも家賃の支払いや携帯電話料金支払いなどもできるところが増えてきていて、今後もキャッシュレス決済は広く利用できるようになると思います。
そんな時代を先取り、よりキャッシュレス社会に対応できるよう、給与デジタル払いを希望する方も多いのかともいます。

まだ、制度が始まっていませんが、話し合いの段階でいろいろ問題がるのでは?
という意見をもつ労働者も多いようです。

給与デジタル払いのメリット

給料を使う時に銀行を経由する手間が必要なくなる。

給料日に混んでいる銀行でお金をおろし残高にチャージしたり
振込の手続きをしたりする必要がなくなります。
より買い物はしやすくなり、現金を使う人が減るのでキャッシュレス化もより進むと思います。

会社からの給料振込の手数料が安くなる

現在給料は会社が給与振り込み日に振込にて支払っています。
給料をもらっている労働者側はあまり意識しないと思いますが、振込のたびに振込手数料がかかっています。銀行へ振込むより資金移動業者への送金の方が手数料は安くなります。

細かいですが、毎月続き、すべての従業員へ支払うのでだから馬鹿にならない金額になります。それを削減できるのは、会社側のメリットになります。

口座を持っていない従業員にも支払いができる

日本では、考えにくいかと思いますが、世界では銀行口座を作れない人も多くいます。
そんな人たちにも給料を支払うことができるようになります。
ただ、日本では銀行や信用金庫の窓口に行けばどのような人でも身分証明書さえあれば口座は作れるので、日本で住む人にはメリットを感じられないことだと思います。
主に、外国の家族に送金などをするときに外国の方が使うのではないかと思います。

給与デジタル払いのデメリット

業者の信頼性の問題

要件を満たし審査をうけやっと登録できる金融機関とは異なり、資金移動業者は要件を満たせば登録できるので、会社の体力やコンプライアンスなど、銀行に比べて信頼に欠けます。
もしもの時に大事なお金が返却されない、返却までに時間がかかるなどの問題点が考えられ、話し合いの段階でも労働者側の専門家が危惧していました。

資金移動の上限が100万円であること

銀行ほど厳しい審査が無い資金移動業者ですので、扱うことができる金額の上限が100万円となっています。
多くの給料を受け取る人や、貯金のような使い方は難しいといわざるを得ません。

給与デジタル払いのまとめ

会社にとっては振込手数料などの手数料負担が減り、従業員には銀行に行く手間や振り込みなどの手数料負担軽減などもいろいろメリットはありますが、もちろんデメリットも多くあります。

更に実際に運用を開始したからこそ見えるトラブルも多く発生すると思います。
また国の考えを推測すると、デジタル化を推し進め、キャッシュレスを進めるためには必要な手段だと考えているのではと思います。
会社のメリットと従業員のメリットを考え、今後の対応を考えに、今後の動向も注目してください。

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