職場のハラスメントでお困りの方~社会保険労務士が解説するハラスメント対策~

職場のハラスメントでお困りの方~社会保険労務士が解説するハラスメント対策~ 労務管理

さまざまな会社でハラスメントが問題になっています。
2022年4月からは中小企業でも対策が義務化され
多くの会社で対応に頭を悩ませていると思います。

ハラスメントを起こさせないためにはどうするべきか
ハラスメントが発生した時にどのような対応をするべきか

人事労務の専門会である社会保険労務士が解説します。

【この記事でわかる事】
・ハラスメントの種類
・ハラスメントの防止対策
・ハラスメントの対応方法

ハラスメントとは?

セクハラやパワハラなど、耳にすることが多くなったハラスメントですが
どの様な事がハラスメントと言われるかわかりますか?

ハラスメントは種類が多様化しており、40を超えるといわれてもいます。

基本的にはすべてのハラスメントに共通している定義があり、その定義は
加害者の故意の有無に関係なく、被害者が不利益を被り苦痛を感じる行為をする事です。

もっとも多いハラスメントは職場でのパワハラと言われており、ハラスメント経験者の多くがパワハラを受けたと証言しています。

リンク:厚生労働省_職場のハラスメントに関する実態調査について

ハラスメントにあたるかどうかは、相手の感じ方によるものが多いため、気を付ける必要があります。

ハラスメントが原因で発生する問題

ハラスメントは様々な問題発生の可能性があります。
ハラスメントが発生することで、従業員が退職してしまったり、モチベーションが下がり、業務効率が著しく下がったりします。
それだけでなく、管理職がハラスメントを恐れるあまり注意ができなくなり、問題が放置されるなども発生してしまいます。

注意をしても注意をしなくても大きな問題につながるため、複雑で難しい問題です。

さらに、しっかりと対応できなければ会社への損害賠償リスクがついて回ります。
加えてハラスメントをした従業員への対応も必要になり、大きなコストがかかります。

この様にハラスメントにはたくさんの問題が含まれています。
しっかりと対応を考えて下さい。

ハラスメントの種類

ハラスメントは加害者の故意の有無に関係なく被害者が不利益を被り苦痛を感じる行為をする事です。
そんな中で、会社内で主に気を付けなければいけないハラスメントは5つです。

パワーハラスメント

職場の上下関係や、優位不利を使って嫌がらせをすることです。
長時間の叱責等のことを言います。

モラルハラスメント

精神的な嫌がらせをすることです。
イジメのようなものを言います。

ジェンダーハラスメント

性別を理由に昇進させないや職種を限定することです。
主に”女性だからコピー取りをして”というような対応をすることです。

セクシャルハラスメント

仕事に関係ない性的な嫌がらせや不愉快になる発言をすることを言います。
基本的には会社で性的な発言の必要性は無いので、性的な発言すべて当てはまります。

マタニティハラスメント

妊娠・出産を原因で不利益を与えたり、育休を利用しないように強要する事などが当てはまります。

この5つが会社の人事が知っておかなければいけない最低限度のハラスメントです。
それぞれの対応を考えておきましょう。

ハラスメントの防止対策法

ハラスメントを防ぐためには、たくさんの法律を知り、多くの人に気を配り、社内ルールを作り、そのルール通りにしっかりと防止対策を進めていく必要があります。

具体的に厚生労働省が指針を示し、会社がハラスメント防止で講じるべき措置としていくつかのポイントを上げています。

・事業主の方針の明確化と周知・啓発
・相談に応じて適切に対応するための体制整備
・職場におけるハラスメントの迅速かつ適切な対応
・職場における妊娠・出産のハラスメント原因や解消するための措置
・相談者や行為者のプライバシー保護の措置


リンク:厚生労働書_職場におけるハラスメントの防止のために

この様な事を準備をし、備えておくことで、ハラスメントの被害を抑え、ハラスメントが発生したとしても、迅速に対応することができます。
対応は法律でも義務付けられているので、しっかりと準備しましょう。

ハラスメントの対応方法

ハラスメントはどれだけ対策を練っても発生がゼロにはなりません。
そのため、発生してしまった時の対応法も知っておく必要があります。
基本的には5つのステップに沿って対応をすることになります。

事実関係の調査

被害者、加害者、周囲の人間からの聞き取りなど、事実を把握するための聞き取りが必要であり、重要です。
事実関係を正しく把握できないとその後の対応もできません。
そのためにも聞きたりは重要です。

調査報告書の作成

聞き取りを基にした事実関係をしっかりと報告書を作成します。
この報告書をもとに事実認定をします。

加害者への処分を決定・実施する

事実を認定したら行為をもとに懲戒処分や部署異動などを行い、加害者に適切な指導を行います。
この指導でも新たなハラスメントに発展しないよう気を付けましょう。

被害者へのフォロー

被害を受けた人の体調や精神のフォローを行い、必要があれば医療機関への受診も勧めたりします。
もちろん、特別休暇や部署異動なども行い、これまでのように仕事でパフォーマンスを出せるように協力を行います。

再発防止措置を策定実施

同じことが起きないよう、対策方法を考え社内規程や通報窓口、管理体制の厳格化などを行い、同じハラスメントは発生しないように準備しましょう。

最後に

ハラスメントは多くの会社で問題になっている問題で、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
法律で義務も明確にされ、裁判所の判例も増え、会社が対策・対応しなければいけない事がさらに増えてきています。
それだけでなく、ハラスメントを放置することで会社の生産性がさがり、業績が悪くなるだけでなく、社会的な制裁を受けることや、損害賠償のリスクが発生します。
そのような事が起きないよう、発生していない今からの準備を進めて下さい。

タイトルとURLをコピーしました