最近は、”社会保険労務士”もメジャーになってきましたが
どのようことをしてくれるのか良くわからない方も多くいらっしゃるようです。
今回は、社会保険労務士はどのような仕事をしていて、どんなことを依頼できるのかをご紹介します。
【目次】
・社会保険労務士しかできないこと
・社会保険労務士の専門分野
・人事労務の専門家
・年金制度と申請の専門家
・労働関係法令の専門家
・職場環境改善の専門家
・社会保険労務士に依頼する仕事はない!?
・社会保険労務士の一番の仕事は独占業務には無い!?
・社会保険労務士の仕事の一例
・まずはご相談から
・最後に
社会保険労務士しかできないこと
社会保険労務士のような国家資格を持っている者には法律で資格を持っている者しかできない
独占業務があります。
独占業務とは、資格を持っている者以外が報酬目的に行うことができない業務です。
社会保険労務士の独占業務は…
社会保険に関する書類の作成しその書類を事業主に代行して提出すること。
社会保険・労働保険に関する帳簿の作成をすることの2つです。
社員を雇うと、社会保険の手続きとして被保険者資格取得届を提出したり、退職したら資格喪失届を提出したりします。
併せて従業員に関する帳簿の作成が義務付けられます。
この書類や帳簿は、社会保険労務士以外が報酬をもらって作成、提出はできないことになっています。
社会保険労務士の専門分野
上で挙げたのは社会保険労務士の独占業務ですが、社会保険労務士の専門分野は次の4つ分野です。
人事労務の専門家
社会保険労務士は人事労務に関する法令や案件に詳しく、「こんな場合はこうするといい」という案内や、「これは危険な兆候なのでしっかり対処しよう」というようなノウハウを持っています。
法律にあうよう会社のルールを見直し、従業員のモチベーションアップなどを考え、より生産性を高められるよう
配置転換を考えたりすることができます。
このように社会保険労務士は人事労務の専門家です。
年金制度と申請の専門家
日本国民すべてが加入しているにも関わらず、制度を理解している人はほぼいない年金ですが
社会保険労務士は年金の専門家です。
会社では一見関係ないように思いますが、実は働いているといろいろと関わってきます。
例えば、65歳以上の従業員が働いた場合の年金の金額や
どの様に働くことが従業員にとっても会社にとっても最もいいかを判断できます。
労働関係法令の専門家
日本で従業員を雇うと必ず関わってくる労働基準法などの法律の専門家です。
法律は毎年変更があり、それに伴い会社はいろいろと対応が必要になります。
就業規則の変更や契約の変更、従業員の教育や必要に応じた情報提供など
沢山のことを会社はしなければいけませんが、その情報提供や法律の案内などを
一手に任せることができます。
職場環境改善の専門家
従業員が働きやすい環境を作り、業務効率を高めるのも会社の義務であり
この点についても社会保険労務士はしっかりとした知識と経験をもった専門家です。
このように会社に関わる様々なことが社会保険労務士の専門分野といえます。
もちろん社会保険労務士によって得意な分野があり、人によって知識の度合いも様々です。
ですが、社会保険労務士であれば一通りの知識や経験を持っているといえます。
社会保険労務士に依頼する仕事はない!?
社労士さんには毎月お願いする仕事がない・・・といわれたことがあります。
社会保険労務士の独占業務である書類作成や書類の提出は毎月無いかもしれません。
ですが、帳簿作成や従業員に関係する業務(説明対応)は 1ヶ月間発生しない会社はありません。
会社にお伺いさせていただいた際、問題が全く無い会社さんを私は見たことがありません。
普段見過ごされていた問題を見つけることができ、直すことができますので一度ご依頼ください。
また、労働関係のトラブルは普段どのように会社を運営しているかによって決まります。
何かが起きた時に対応を始めたのでは遅いのです。
つねに会社のメンテナンスを行う必要がある以上、社会保険労務士に依頼する仕事がないという事はあり得ないと私は考えております。
社会保険労務士の一番の仕事は独占業務には無い!?
※これは私の考えですので、そんなことは無いと言う社会保険労務士もいるかもしれません。
社会保険労務士の一番の仕事は独占業務には入っていません。
帳簿・書類の作成や届出は正直誰でもできます。
税理士さんが税務の片手間にやったり、行政書士さんが法律の書類作成と言って作成することも簡単にできてしまいます。
もっと言うと、会社に昨日入社したバイトですら時間をかければできます。
社会保険労務士の独占業務といわれている業務はその程度の難易度であると私は考えています。
社会保険労務士の仕事で難易度が高いのは
労務管理
従業員対応
法律対応
以上となります。
どれも独占業務ではなく、誰でも行うことができるが
正しい知識と経験を持って行わなければ大きな損害が発生する物ばかりです。
こういった問題を解決、防止するのが社会保険労務士の一番の仕事だといえます。
社会保険労務士の仕事の一例
社会保険労務士の法律対応の仕事の一例を挙げます。
法律変更に対応するといっても、実は簡単ではありません。
法律には会社のルールをこうやって変えてくださいとは書かれていません。
たとえば、働き方改革の一環として「有給休暇の取得義務化」がありますが、これは法律には・・・
「使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項目および次項において同じ)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間の初日をいう。以下この項において同じ)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
この様になっています。
簡単に説明すると、10日以上有給がつく人には5日以上会社が使わせなさいとなります。
法律にはこれしか書いていません。(若干文章の省略や続く条文もあります。)
対象の従業員に5日以上有給を使わせれば文句は言われませんが、どのように使わせるかは会社が決める必要があります。
どうやって使わせれば会社経営に影響が少なく、法律に対応できるかを考え会社のルールに入れ込むのが社会保険労務士の一番の仕事で、最も難しい個所だと考えます。
これは専門家でなければ対応ができないものだと思いますし、税理士さんや行政書士さん、労働分野を専門としていない弁護士さんでもできないことです。
法律を理解し、多くの経験から会社にとってベストな対応をご案内することが社会保険労務士として一番の仕事であり、最も難易度が高い業務です。
まずはご相談から
お悩みしている最中に顧問契約をし、毎月のコストを増やすことはおすすめしておりません。
まずはご相談いただき、現在抱えているトラブルの解決を図ってください。
その後、必要と感じれば、付き合いをつづければいいだけですので、まずはお気軽にご相談ください。
最後に
労働にまつわるトラブルは年々多くなっています。
これは、権利意識を強くもつ人が増えてきたからだけでなく、インターネットやSNSの普及により容易に情報を集め、知識を集めることができるからだと言えます。
そして、この便利な設備は今後より身近になります。
さらに、人手不足のため売り手市場が広がり続けると思われます。
人が雇えず、または一気に退職されて仕事が回らない、というようなことがないように今からしっかりと人事労務も整えていきましょう。
そのお手伝いをすることができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせをお待ちしています。