違法な残業を止めた方がいい3つの理由~社労士が解説する労働問題~

違法な残業を止めた方がいい3つの理由~社労士が解説する労働問題~ 従業員対応

コロナウイルスが5類感染症に移行されてから3ヵ月以上経過し
経済がもとにもどりはじめ、コロナ前の働き方に徐々に戻ってきました。
需要が旺盛の中、人手不足により供給が不足することで
会社では、残業や労働時間の増加がある業種や会社が出てきているようです。

これまでは給与を支払っていることを免罪符に長時間労働を強要したり
月給だから残業代を支払わないなどが横行されてきました。

「これまで大丈夫だったから大丈夫」という考えは絶対にやめましょう!
違法な残業を止めた方が良い理由を、専門家である社会保険労務士が解説します。

この記事でわかる事

・違法な残業を止めるべき理由

違法な残業の現状

まず、厚生労働省が公表している資料を確認してください。

長時間労働が疑われる事業場に対する令和4年度の監督指導結果を公表

労働基準監督署は毎年、多くの会社に立入の調査を行い是正勧告が行われています。

内容を見ると、30,000を超える会社に調査が入り違法な長時間労働があったと判断された会社が
14,000社以上あると判断されました。
その他にも残業代が支払われなかったり、長時間労働による健康障害防止ができていなかったりするものまで入れると、全部で25,000件以上になります。
つまり、調査に入られた会社の78%以上の会社で違法があったということです。
また、多くが中小企業となり、サンプリング調査ととらえると、多くの中小企業が違法な長時間労働があるといえます。

違法な残業の危険性

いくつか違法の残業には危険な事があります。
まず、労働基準監督署などの調査などの行政指導のリスクです。
この行政指導に関しては、指導に従わなかったり反省が無かった場合、最悪送検まであり得るので、対応を気を付ける必要があります。

さらに、違法に残業をさせるということは残業時間の給与や割増賃金は支払っていない為
遡って3年分まとめて支払いを求められる可能性があります。

最後に、違法な残業を行うと、総じて働く時間が長時間になります。
そうなると過労などにつながり、最悪過労死が発生しかねません。
そうなると、損害賠償や社会的制裁などを受ける危険性があります。

まだまだたくさんの危険性をはらんでいるので違法な残業はしないよう
会社の運営方法を考え直し、ルールに沿って会社を運営してください。

違法な残業を止めた方がいい3つの理由

大きく分けると違法な残業をためた方がいい理由は3つあります。

1.行政指導の対応が必要になるから

上にも書きましたが、どの会社でも一定の確率で労働基準監督署等の調査が入ります。
自分の会社に調査が入っていない為、実感がわかないかもしれませんが
毎年数多くの会社に調査が入り、80%近くの会社が是正勧告の対応に追われます。

どの様なものがあるかというと、毎月タイムカードを労働基準監督署へ提出したり
未払残業代を計算し、従業員へ支払った後に報告を入れたり
定期的に労働基準監督官が会社に来たり等があります。
かなり手間になりますので、そうならないよう違法な残業は無くしましょう

2.従業員からの未払賃金の請求におびえる必要がなくなる

未払賃金が発生すると、従業員は会社に不足分を請求し、支払わせることができます。
会社側の反証が異常に難しく、従業員が言ってきた残業時間をそのままのみ、残業代を支払う必要が出ることが多くあります。
また、弁護士の中でも積極的に未払賃金請求に取り組んでいる方もいて
ある日、急に弁護士から連絡が来ることもあり得ます。

ルールを守ればそのような心配を持つ必要がなくなるので、違法な事は極力しないようにしましょう。

3.会社がブラック企業のレッテルを貼られ、求人に苦労する

今やインターネットは情報収集で必須なものです。
ネット上で会社がブラック企業のレッテルを貼られると、それが嘘や誤解であっても
求人に応募してこなくなります。
つまり、ネット上でブラック企業のレッテルを貼られてしまった後、会社に応募してくるのは自発的にインターネットで調べる事すらできない人だけになってしまいます。

一定レベル以上の人間を採用したいと考えている会社にとって、大きなデメリットです。
人手不足で求人に困る今、さらに採用で困りたくはないので、ルール違反はやめましょう。

最後に

昔のように残業時間が多い方が会社が評価するような社会ではなくなっています。
私の取引先でも、成績が近い場合、残業時間が多い人間より残業が少ない人間の方を明確に評価する会社も増えてきています。
これからは残業を減らし、所定労働時間内でこなすことができる業務を増やせるような業務効率を高められるように業務改善をすることをお勧めします。

働き方を変えたい!!や環境を変えたいなどのご相談がある場合はぜひお問い合わせください。
初回無料相談にて対応しております!

リンク:yahooニュース_14,147事業所で違法残業
リンク:厚生労働省_長時間労働が疑われる事業所に対する監督指導結果公表

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