社会保険とはどのような保険で、どんな種類があるのでしょうか?
社会保険とは?
会社で人を雇うと社会保険に加入させなければいけません。
この社会保険とは、どのような保険でしょうか?
社会保険は、病気やケガ、失業、死亡のような事故が起きた時に、医療保障や所得補填などの保険給付をするもので大きく分けて5つあります。
1、医療保険(健康保険、共済保険、国民健康保険)
2、年金保険(国民年金、厚生年金、共済年金)
3、労災保険
4、雇用保険
5、介護保険
さらに細かく分けると
医療保険、年金保険、介護保険を社会保険といい
労災保険と雇用保険を労働保険といいます。
社会保険は会社の大きさや業種で加入が任意だったり義務だったりと違ってきますが
労働保険は従業員を一人でも雇うと原則的に強制加入になるものです。
※強制になるか任意になるかを簡単に言うと
個人経営で従業員が5人未満なら労働保険だけでも問題になりません。
社員を雇った時に必要な手続き
社員を雇った時には、上に挙げた5つの保険の加入の必要性が出てきます。
自分の会社では、どれを手続きすればいいのか分からなくなってしまうかも知れませんが、
1つずつ確認をして、モレのない手続きをするようにしましょう。
手続きが必要な保険
・健康保険
会社が健康保険に加入している場合、必要になる保険です。年金事務所か健康保険組合が
窓口となっていて、入社日から5日以内に手続きが必要になります。
正社員やフルタイムのパート・アルバイト、さらに社長・役員も手続きが必要になります。
また、75歳を超えると後期高齢者医療制度加入になるので、75歳以上の方は加入できません。
・厚生年金保険
基本的に健康保険と同時に加入し、年金事務所が窓口となっています。
入社日から5日以内に手続きが必要になりますが、健康保険と同時に手続きできます。
厚生年金保険は70歳未満の方の加入が必要になります。
・雇用保険
週20時間以上働く従業員(パート・アルバイト含む)を雇うと加入手続きが必要になります。
会社がある住所を管轄するハローワークが窓口になり
入社月の翌月10日までに手続きが必要になります。
手続きが遅れてしまうと加入手続きの際に添付書類を求められてしまいます。
しっかり期間内に申請しましょう。
※ 資格取得の手続きで気を付けること!
雇用保険では、会社が変わっても被保険者番号は変わらないので問題になりにくいのですが、
健康保険と厚生年金保険では、前職で加入していた社会保険のつながりを確認しておかないと、
前の社会保険が残っていて、社員の保険料が二重で発生することがあります。
注意をしてください!
手続きが不要な保険
・労災保険
労災は社員として雇い、給与の支払いの対象になると自動的に適用になるので、
社員を雇ったタイミングでの手続き不要です。
逆に加入させる気が無くても、雇った時点で自動的に加入になるので、会社が加入手続きを
していなくても労災保険が適用になっています。
「うちは労災に入っていないから、任意で保険をかけているんだ」という話を聞いたことが
ありますが、従業員がいる以上、労災には加入しています。
もし、しっかり加入届をしていないと、事故が起きた時、保険給付に必要にかかった費用を
会社に請求されてしまう…といった事も起こってしまうので、手続きはしてください。
※国の給付になります。
民間保険より給付の内容はしっかりとしていて、保険料も安いはずです。
・介護保険
介護保険は年齢に応じて自動的に加入になるので手続き不要です。
65歳以上の方を介護保険の第一号被保険者といい
40歳から65歳までの方を介護保険の第二号被保険者といいます。
65歳以上の第一号被保険者になり、介護が必要になると給付され
窓口は基本的に市役所になります。
もし社会保険に入っていない場合は…
最近は減ってきたようには感じがしますが、まだまだ社会保険に加入をしていない会社も多いのではないでしょうか?
保険という言葉につられて加入しなくても「いいのか…」と思う方もいるようですが
株式会社や有限会社など法人化していれば、必ず加入しなければなりません。
確かに社会保険に加入すると保険料がかなりかかってしまう(パート一人を雇うぐらいの負担になります。)のに、会社のメリットには繋がらないと考えてしまいがちですが、ルールとしてやらなければならないことをやらないでいると会社にはいつか制裁が下されることになります。
更に、これからは少子高齢化といわれています。
働き手はどんどん減っていく世の中で、社会保険に入れる会社と入れない会社、どちらで働きたいと考えるかは一目瞭然です。
せっかく仕事があり、働いてもらいたいと考えているので、人が全く集まらない…
そんなことにならないように必ず社会保険の加入をしてください。
社会保険に入るとこのくらい費用が掛かるなどのご質問もお気軽にお問い合わせください。
まとめ
社員を雇った際の手続きは基本であり、人を雇う以上、必ず発生する手続きなので間違えないように手続きをしてあげてください。
今回は、入社時の手続き、主に資格の取得に関するものを紹介しましたが、その他にもやらなければいけない手続きは沢山あります。(標準報酬月額の資格取得時決定など)
人を雇うたびに必要になるもので、会社はただただ作業としてこなしてしまいますが、社員の為に会社が行う初めての手続きなので、間違いないようにしてください。
些細なことでトラブルにつながってしまいます。
もし、めんどうだったり、自信が無い場合は、専門家にお任せください。
会社で働く社員さんとの関係作りの第一歩がスムーズにいくようにお手伝いいたします。
もちろん相談だけでも大丈夫ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。