これから変わる年金制度を解説~社労士が解説する年金制度~

これから変わる年金制度を解説~社労士が解説する年金制度~ 年金

2024年4月16日に厚生労働省から
”2025年の年金制度改革に盛り込むべきか検証する5項目”が発表されました。
これを踏まえ、年金の専門家である社会保険労務士が
今後年金制度がどの様に変わるかを解説します。

年金改革に向け検証する5項目と制度変更内容について

厚生年金の加入要件を緩和

徐々に厚生年金の加入者を増やす施策が続けられています。
2024年10月からは従業員数が51名以上の会社の場合、
一定の条件を満たした従業員が厚生年金に加入するようになります。
この会社規模がさらに拡大され、ほぼ全ての従業員が厚生年金に加入するようになると思います。

厚生年金に加入する人は、将来国民年金だけではなく厚生年金を貰うこともできるようになります。
老後の年収が増えることになりますが
代わりに給与をもらっている時には保険料負担が増え、手取りが減ってしまいます。

基礎年金の納付期限が45年へ

現在、国民年金は20歳から60歳までの40年間加入し保険料を納付することができ
40年間保険料を支払いきると国民年金が満額で貰えます。

この納付できる期間を45年間へ延ばす事も検討されます。

5年間延びることで、国民年金の満額を増やすことができ、さらに老後の資金を増やすことができます。
また、今の制度では厚生年金加入者は退職するまで国民年金の支払いを行い、
それが金額に反映されませんが、5年間延長する事でその不平等感は緩和されます。

しかし、保険料納付期間が5年間延びるということは、その分支払う保険料が増えるので
単純に負担が増加します

基礎年金の給付抑制を早期停止

現在、マクロ経済スライドという制度により
年金の給付水準を自動的に調整する仕組みが導入されています。

これにより自動的に給付額が抑えられていますが
この制度を無くすことで年金の金額を増やすことができます

在職老齢年金の見直し

働きながら年金を貰っている人は、年金が少なくても生活ができるという考え方のもと
一定以上の給与をもらっている人の年金を減額するという制度がありますが
この制度の見直しも検討項目に入っています。

改正されることで、多くの給与をもらっても年金の減額をされず
トータルの月給を増やすことができます。

保険料の基準額の上限引上げ

厚生年金の保険料や支給金額は”標準報酬月額”という月給をもとに決められる金額で決められます。
この”標準報酬月額”の厚生年金の上限は¥650,000となっていますが
これが引き上げられる予定となっています。

”標準報酬月額”が引き上げられると、毎月の保険料が上がります
代わりにもらえる厚生年金金額が増えます。

この5項目が今回の年金改革についての話し合いで議論されます。
どの項目がどの様に採用されるかはまだわかりませんが、動向に注目する必要があります。

さいごに

年金制度はこれまでも多く改正されています。
まだまだ年金についてよくわかっていない方が「年金は将来もらえない可能性があるから自分で準備した方が良い」と言っていますが、これからも年金の改正は続き、制度が継続できるように正していくと思います。
年金はもらえない事はありません。

ですが、年金は福祉ではない為、裕福な生活ができるよう十分に支給されるものでもありません。
しっかりと理解し、準備をしましょう。

また、年金の制度が変わるたびに会社の負担は増加していく傾向があります。
今からしっかりと年金制度を理解し、しっかりと対策をしましょう。


お問い合わせはこちらから

リンク:厚生労働省_年金制度の仕組み
リンク:日本年金機構_短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の敵湯尾拡大のご案内

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