「カスハラ対策」が企業の義務に!?~社労士が解説する対応方法~

「カスハラ対策」が企業の義務に!?~社労士が解説する対応方法~ 法律

「パワハラ」や「セクハラ」が会社で当たり前に聞かれるようになりましたが
新しく「カスハラ」という言葉も聞くようになってきました。
そして「カスハラ」への対応も会社に求められるようになりました。
それに加えて法律を改正し、従業員保護策を企業に義務付ける法整備も準備され始めました。
「カスハラ」の対策のために会社はしなければいけない事や気を付けることを人事労務の専門家である社会保険労務士が解説します。

「カスハラ」(カスタマーハラスメント)とは?

「カスハラ」(カスタマーハラスメント)とは
客の立場を利用し、企業に対して理不尽なクレーム・言動をすることをいいます。
客が不利益を被り、それを挽回するために企業に申し入れをする行為(一般的にクレームと言います)が該当するのでは無く、理不尽な要求や、暴力的・侮辱的な方法による要求をすることがあたります。

SNSなどで拡散されるような理不尽な要求や、従業員に土下座を強いる行為がこれにあたります。

企業に求められる「カスハラ対策」とは?

今回、法改正の前段階として自民党のプロジェクトチームが提言された内容は次になります。

・カスハラに該当する範囲や辞令を明確化し定義づけ
・相談体制の整備を会社に義務付け
・消費者の権利抑制にならない様留意して検討を行う
・カスハラ予防に向けた顧客対応の研修
・消費者権利と責任について正しく理解する教育強化


この5つが提言されました。
この中で会社が対応しなければいけない事は2つで
相談体制の整備とカスハラ予防に向けた顧客対応研修の2つになります。

具体的に言えば…
従業員からの相談窓口を会社内に設置し、「カスハラ」の被害にあってしまった従業員のケア
現実「カスハラ」にあたりそうになった時、そのように対応する事かをマニュアル化し
被害にあわない様準備することになります。

まだまだ法改正には至っていませんが、法律が無くても従業員を「カスハラ」から守るのは
労働契約法に規定されている「安全配慮義務」に基づき、現在でも会社側の義務となっています。
従業員を守り、退職などで人員が減少することを防ぐためにも今からしっかりと対応をしましょう。

クレームと「カスハラ」の違いは?

客からの全ての申し出を「カスハラ」と断じて受け入れないことは
会社にとってもマイナスになります。
クレームはサービスの向上やマーケティングとして利用し、さらなる成長につなげることもできます。
正当なクレームはしっかりと受け入れることも大事だといえます。

そこで、クレームと「カスハラ」の違いを理解することが大事になります。

クレームと「カスハラ」は明確な線引きはありません。
簡単に解説すると、度の過ぎたクレームが「カスハラ」となります。
クレームの根拠となる事実が真実で、クレームをすることが妥当であり、商品やサービスの不備で困っている場合、その不備を挽回することを目的としたことがクレームで、それを上回る要求や、関係のない要求を行うことが「カスハラ」になるといわれています。

クレームと「カスハラ」の違いを理解し、正しく対策しましょう。

まとめ

クレームと「カスハラ」に明確な線引きはありません。
「カスハラ」は行き過ぎたクレームであり、クレームは軽い「カスハラ」であるといえます。
それゆえに対応が難しく、間違った対応ではより大きな問題になってしまいます。

また、実際に対応する従業員さんもすべての顧客からの申し出を拒絶したり
正しく受け取ったりすることは実際は難しいと思います。


これは会社が難しいのではなく、実際に対応する従業員が判断に困り
より大きな問題になってしまいます。
会社はそうならない様、しっかりと判断基準を示し、従業員を「カスハラ」から守りましょう。

お問い合わせはこちらから!

リンク:yahooニュース_「カスハラ対策」企業に義務付け
リンク:厚生労働省_「カスタマーハラスメント対策マニュアル」等を作成しました!
リンク:厚生労働省_カスタマーハラスメント対策企業マニュアルについて

タイトルとURLをコピーしました