最低賃金全国平均で¥1,002に~社会保険労務士が解説する最低賃金~

最低賃金全国平均で¥1,002に~社会保険労務士が解説する最低賃金~ ブログ

2023年7月28日のニュースで最低賃金の加重平均が初めて1,000円を超えると発表されました。
まだ各都道府県の最低賃金は発表されていませんが、引き上げ額の目安が41円と
かなりの上昇になると考えられます。
どの態度の上昇になるのか?いつから上がるのかを専門家が解説します。

この記事でわかる事
・最低賃金とは?
・いつから賃金が上がるのか?
・東京都の最低賃金の予想

最低賃金とは?

最低賃金とは、会社が雇用している従業員に支払わなければいけない、最低限度のことで
従業員に支払っている給与を時給換算し、その時給がこの最低賃金を超えていないと罰則を受けることとなります。
最低賃金の対象となるのは基本給ではなく、手当を含めたすべての金額で計算されるので、基本給が最低賃金を下回っているから即罰則になるものではありません。※通勤手当や割増賃金等、一部手当は除かれます。

ちなみに最低賃金を下回った給与の支払いしかしていなかった場合
差額の支払いと罰則として50万円以下の罰金になります。

また、主に最低賃金と言われるものの正式名称は”地域別最低賃金”といいます。
実は最低賃金にはもう一つ”特定産業別最低賃金”というものもあります。
こちらは、各都道府県の特定の産業ごとに決められた最低賃金です。
今回ニュースに出たのは、”地域別最低賃金”の方で、各都道府県ごとに決められるものです。

最低賃金の推移

皆さん、なんとなく最低賃金は上がってきているなぁという感想はあると思います。
どのくらい上がってきているのか、過去10年分のデータがこちらです。

なんと、この10年間で東京都の最低賃金は1.26倍にもなっています。
この流れで、2023年も大きく最低賃金が上昇することが決まったようです。

最低賃金が適用されるのは?

最低賃金が適用されるのは、その年の10月労働分からとなります。
多くの会社では、11月支給分から昇給が必要になります。

最低賃金法違反にならないよう、しっかりと準備してください。

2023年10月からの最低賃金の予想

全国平均で1,000円を超えるとニュースが出ましたが、実際いくらになるのでしょうか?
きっと多くの会社さんが気になっていると思います。
もう少しで正式に発表されると思いますが、すでに上昇の平均値が発表されたので想像はできます。

大都市圏と言われる、東京・大阪・神奈川は加重平均以上の金額になってきました。
今回は上げ幅が大きいため、大都市圏でも加重平均を大きく超えて上昇するのは想像しづらいため

東京都の最低賃金は1,113になると予想されます。
その他にも神奈川が1,110円大阪は1,060円程度になるのではと予想できます。

正直、会社にとってはかなり大きい上昇になると思います。
働き方や、従業員の給与確認など、今のうちにできることを初めるのをお勧めします。

さいごに

最低賃金は、定期的に昇給する大企業や資金に余裕がある企業にとってはそれほど意識されないものかもしれません。
しかし、定期的な昇給が無い中小企業では従業員の昇給のベンチマークになります。
物価が上昇し続けるインフレ経済に転換した今、給与の上昇は必要な事ですし、給与を上げないと従業員はどんどん辞めていってしまいます。
少々きついかもしれませんが、業務の見直しで残業を減らすなどの対策も併せて行い
最低賃金に対応できるよう、しっかりと準備を進めて下さい。

リンク:厚生労働省_最低賃金制度とは
リンク:厚生労働省_最低賃金制度の概要
リンク:yahooニュース_最低賃金初の全国1,000円台に

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