東京の最低賃金が1,113円に!~社労士が解説するメリットとデメリット~

東京の最低気温が1,113円に!~社労士が解説するメリットとデメリット~ ブログ

2023年の最低賃金の全国平均が41円上昇すると公表され
各都道府県の最低賃金が実際にどうなるのか気になる方も多いかと思います。
そんな中、8月7日に東京労働局の答申が出され、時給1,113円とすると出ました。

最低賃金が上昇すると、どのような事になるのか?
従業員のメリットやデメリットを簡単に解説させていただきます。

この記事を読んでわかる事
・東京都の最低賃金
・最低賃金が上がるメリット
・最低賃金があがるデメリット

東京都の最低賃金

最低賃金は毎年10月1日から変更されます。
そして適用される金額は8月下旬に決定されるのですが
今回、東京労働局の審議会が答申しました。

決定では無いですが、この答申が覆され金額が変更されることは
ほぼありませんので、2023年10月からの東京都の最低賃金は1,113円となります。

最低賃金とは?

最低賃金とは、最低賃金法という法律に基づき賃金の最低限度を国が定め、会社は最低賃金以上を支払わなければならないというものです。
たとえ労働契約で最低賃金以下の報酬を決めたとしても、報酬部分が無効になり最低賃金として契約されたものとなります。
つまり、足りない金額を支払う義務が会社にはあり、支払われない場合には罰則まであります。
※最低賃金法で50万円以下の罰則が定められています。

最低賃金が上がるメリット

最低賃金が上がる事には様々なメリットがあります。

従業員の収入が上がります。

最低賃金が上がると、最低賃金で就労している非正規労働者を筆頭に、様々な人の給与が上昇します。
また、現在最低賃金で働いていない人たちも相対的に給与水準が下がってしまいます。
そうすると、給与を上げないと同業他社との競争に勝てなくなり、転職希望者の増加や就職希望者が減少してしまうため、給与が引き上げられます。

全ての従業員の収入が上がる可能性があるといえます。

消費行動増加による経済活性

収入が上がると、購入できなかったり、購入をためらってしまっていた物を買えたりします。
そうすると、会社の売上が上がり、経済の成長につながります。
この様な連鎖が続くと、さらなる従業員の給与上昇につながる好循環になっていきます。

最低賃金が上がることで短期的に従業員のメリットが大きく
長期的にみると経済成長による会社のメリットも大きくあるといえます。

最低賃金が上がるデメリット

最低賃金が上がることはメリットだけでなくデメリットも多くあります。

人件費の高騰を招く

最低賃金が上がると、短期的に人件費が高騰します。
飲食店や小売業など、非正規社員を多く雇っている業種では、最低賃金が上昇すると単純に人件費が上がってしまいます。
そうなると、利益が下がってしまい、将来の成長のための投資ができず、会社が成長できなくなったり、倒産してしまったりしてしまいます。

人を雇う人数が減ってしまう。

人件費の高騰に関係はしますが、メリットで書いたように従業員の収入が上昇すると売上が上がり、会社の利益が将来的には上がる可能性があります。
しかし、売上の上昇には時間がかかります。
その間、人件費を上げる余裕がない会社や業種では人を減らしてしまいます。
つまり、失業率の上昇につながってしまう事もあり得ます。

中小企業の倒産が増加する

体力のある大企業や利益が出しやすい収益モデルの企業は大丈夫かもしれませんが
体力のない企業や体力の無い中小企業は倒産してしまいます。
そうなると、社会的に失業者が増えてしまい、経済が縮小してしまいかねません。

最低賃金が上がることで短期的には企業のデメリットが大きくなります。
長期的にみると従業員にもデメリットが発生します。

まとめ

最低賃金が上昇するとメリットもデメリットもあります。
しかもメリットとデメリットが真逆で、タイミングを間違えると一気に経済的に不安定になり、会社も従業員不幸になってしまいます。
正直、今回の最低賃金の上昇は高すぎる気がします。

1年後、5年後の会社が困らないよう、準備をしましょう。

お問い合わせはこちらから!

リンク:厚生労働省_最低賃金制度の概要
リンク:yahooニュース_東京都の最低賃金1,113円に改正と答申
リンク:最低賃金全国平均で¥1,002に~社会保険労務士が解説する最低賃金~

タイトルとURLをコピーしました