2022年もたくさんの法律が改正され、知らないうちに社会のルールが変わりました。
今回は、年金関係の法律に限定し、法改正の内容と簡単な解説をします。
一覧はこちらから リンク:厚生労働省令和4年4月から年金制度が改正されました。
年金は、日本に住むすべての人が加入する保険で、一定の年齢になったり、障害を負ってしまったり、被保険者が亡くなってしまった時に年金を支給されるものです。
年金を貰えるということは知っているけれども、いくらもらえるか?本当にもらえるのか?などいろいろとよく知らずに、不安になってしまう人も多いようです。
今回は簡単にどのように変わって、どうなったのかを解説します。
繰り下げ受給の上限年齢引き上げ
老齢年金(65歳からもらえる年金)の繰り下げ(年金を貰う年齢を先延ばしする事)年齢の上限が75歳まで引き上げられました。
対象は令和4年3月31日時点で70歳に達していない方(昭和27年4月2日以降生まれ)または受給権取得日~5年経過していない方
※75歳まで繰り下げると84%増額される。
1カ月間0.7%増加するため、0.7×120(10年)=84%増加
繰り上げ受給の減額率見直し
繰り上げ受給の減額率が1か月0.5%から0.4%へ変更
対象は令和4年3月31日の時点で60歳に達していない方(昭和37年4月2日以前生まれ)
※60歳から年金を繰り上げて受給すると24%減額される。
1ヵ月0.4%減少するため、0.4%×60月(5年)=24%減額
在職老齢年金制度の見直し
仕事をしながら年金を受給している方は、年金の金額と総報酬月額相当額の合計が一定額を超える期間中、年金が支給停止されます。
この一定額が令和4年4月から47万円になります。
※総報酬月額相当額とは、月給に賞与の合計額を12で割った額を加えたもの
加給年金の支給停止規定の見直し
加給年金の加算対象者となる配偶者が、被保険者期間が20年以上ある老齢・退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無に関わらず加給年金が支給停止されます。
※ご主人様が65歳になり、年金受給権を得た際に生計維持している妻がいた際、
加給年金が支給されるが、奥さんが社会保険に加入していて、年金を貰える権利が
ある場合は加給年金が支給されなくなります。
在職定時改定の導入
在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回、定時改定されるように変更されます。
毎年9月1日に厚生年金被保険者で、翌月10月分の年金から改定される。
※年金は年金を請求した際に年金額を計算され、支給金額が決まるため、
これまでは65歳以上で年金を貰いながら働いている人の年金金額は退職するまで金額が
変わらなかったが、今回の改正により、9月1日時点で被保険者であれば、
そこで1年働いた分の報酬比例部分が改定され、年金金額増額されるように変更になりました。
国民年金手帳から基礎年金番号通知書へ切り替え
令和4年4月1日以降、国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する方には「基礎年金番号通知書」を発行され、年金手帳が発行されなくなります。
※年金手帳が無くなり、個人番号通知書のような通知書になります。
まとめ
令和4年に行われた年金関係の改正事項となります。
この他にもこちらのページで解説した、年金の加入に関わる法改正などもされていて、かなりたくさんの法律改正がされました。
年金の制度改正に関しては、定年年齢が引き上げられ、仕事をしながら働く期間が長くなったことで、働きながら年金に加入している方がより有利になるように改正されたように見えます。
これからも、年金の支給年齢は引き上げられ、長く働いてもらえるように改正が進むと思います。
自分にとって、どのような働き方がいいのかや、いつ年金を貰え始めるのがいいのかなどを考え
個別に判断をしなければいけなくなったといえます。
少しでも年金制度を理解し、自分に有利になるようにしてください。
何かご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。